社会保険料削減の具体的方法PART1

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社会保険料の削減・節約の方法 PART1

御社では1年間に社会保険料として、いくらお支払いされているかご存知ですか?

在(平成20年10月時点)健康保険の保険料率は介護保険料率も含め9.33%(40歳未満で介護保険に加入しない人は8.2%)、厚生年金の保険料率は15.35%です。
なお、厚生年金保険料率は平成29年まで毎年0.354%ずつ上がっていくことが法律で決まっています。従業員に支払う給与(賞与にも保険料はかかります)に対して、実に23%〜25%近くものお金が社会保険料として徴収されているのです(それを労使で折半して負担)

たとえば、月収40万円、賞与年2回それぞれ50万円の社員(40歳以上65歳未満)の場合、健康保険料と厚生年金保険料の年間会社負担額は73万円ほどになります。こういった社員が会社に10人いれば、年間730万円。
どうですか、多いと感じますか?それとも意外に少ないと感じますか?

節税対策はきちんとされている会社がほとんどですが、社会保険料の削減・節約を意識して行っている会社は意外に少ないです。もちろん、健康保険や厚生年金からは病院にかかったり、将来老齢年金がもらえるなどといった従業員への給付があるという福利厚生的な面がありますので、税金とは同列に論じられません。

ただ、厚生年金保険料が毎年どんどんアップしていくことを考えてもも今のうちに「社会保険料の削減・節約」の手立てを考えておくべきだと思います。
競合他社との激化するコスト削減競争の中でしぼれる経費はすべてしぼったという会社も一度検討してみる価値があるのではないでしょうか。
それでは具体的な社会保険料の削減・節約の方法をみていきましょう。

☆ 退職日を月の末日に設定していないか ☆

社会保険料がとられるのは資格取得日(入社した日)のある月の分から資格喪失日退職した日の翌)のある月の前月分までです。ここでポイントになるのが資格喪失日は退職した日ではなく、退職した日の翌日になるというところです。

例えば、4月1日付(資格取得日4月1日)で入社し、6月30日付(資格喪失7月1日)で退職扱いとすると

4月分ー保険料徴収される
5月分ー保険料徴収される
6月分ー保険料徴収される
7月分ー保険料徴収されない
と3ヶ月分徴収となりますが、これをもし6月30日付(資格喪失日7月1日)ではなく、6月29日付(資格喪失日6月30日)退職扱いにすると

4月分ー保険料徴収される
5月分ー保険料徴収される
6月分ー保険料徴収されない
となり、1ヶ月分保険料を押さえることができます。たとえば、この従業員(介護保険加入者)の月給を30万円とすると、退職日が1日違うだけで¥37、020の会社負担保険料を削減できます。定年退職者で退職直前の月給が高い場合などはさらに削減できる額が多くなります。実際には賃金計算の〆日(たとえば毎月20日〆の会社なら20日退職)などを退職日とするのが現実的だと思います。そうすれば、賃金の日割計算も不要になります。

メリット
会社負担の社会保険料を削減できる
ポイント 
従業員は1ヶ月分、全額自己負担する社会保険料が増える場合がある              
就業規則の変更が必要

☆ 4月から6月にかけて、残業が多くないか ☆

社会保険料は毎月の給料に保険料率をかけて毎月計算するのではなく、原則年1回、4月から6月の3ヶ月で払われた給料を平均したものを保険料額表にあてはめ標準報酬月額を出し、それに保険料率をかけて決定されます(毎年7月に社会保険事務所等に提出する算定基礎届はそのための書類です。)。そして、そこで決定された保険料は途中で大幅な固定的部分の給与変動がなければ、その年の9月から翌年8月まで固定されます。

ですから、たまたま4月から6月にかけて残業や休日出勤が多いと、いくら7月以降残業が減ったとしても、その年の9月からの1年間は高い保険料を払わなければならなくなります。これは会社にとってだけでなく、従業員にとっても実態の給与額にたいするより高い保険料をむこう1年間払わなければならす、痛いはなしです。

業種によってはどうしても4月から6月の残業を減らせないということがあるかもしれませんが、いままで算定基礎届の対象になる月という意識もなく、他の月と変わりなく残業をさせていた会社は特に、4月から6月にかけての残業を極力減らす努力をしてみてはいかがでしょうか。

メリット
会社負担の社会保険料を削減できる
たまたま4月から6月だけ残業が多かった従業員にとっても、9月以降実態に見合った保険料ですむ
ポイント 
4月から6月は極力残業や休日出勤を減らすよう努力する

☆ 昇給を4月に設定していないか ☆

多くの会社は年度変わりの月であり、新入社員が入ってくる月でもある4月に昇給の時期を設定していますが、何も昇給は4月に行わなければならないと決まっているわけではありません。
さきほどもご説明したように、社会保険料は4月から6月の給料で決まりますので、4月昇給と設定すると算定基礎届で決定される9月からの1年間の社会保険料はあがってしまいます。4月昇給を例えば7月昇給に変更すると1年間少ない保険料におさえることができます。
ただし、降給の場合はこれとは逆に7月に賃金見直しの時期を設定すると、1年間多い保険料を払わなければいけなくなることに注意が必要です。

メリット
会社負担の社会保険料を削減できる
ポイント 
就業規則等の変更が必要

☆ 皆勤手当、精勤手当などを毎月支給していないか ☆

皆勤手当や精勤手当などの出来高給的な手当の対象期間を1ヶ月(1ヶ月の間で何日以内の欠勤なら○○円支払うといった)とし、毎月支払っている場合は当然算定基礎届上4・5・6月の給与にそれぞれ含めなければなりません。
これをもし、対象期間2ヶ月の隔月支給に変更すると算定基礎届で計算にいれる給与の額を減らせるので社会保険料を削減できます。支払い月を奇数月の隔月に設定すると、算定基礎届では5月のみその手当を含めるだけですむのでさらにお得です。

また、この方法は社会保険料だけでなく、割増賃金を減らす効果もあります。通常、皆勤手当、精勤手当、無事故手当などはすべて割増賃金の算定の基礎となる賃金に含めるべきものです。しかし、これらの手当の計算期間を2ヶ月とし、隔月支給に変えると割増賃金の計算対象賃金から合法的に除くことができます。

(割増賃金の算定基礎に含めなくてもよいもの)

  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 住宅手当
  • 臨時に支払われた賃金
  • 1ヶ月を超える期間ごとに支払われた賃金

メリット 
会社負担の社会保険料を削減できる
支払う割増賃金を合法的に減らせる
ポイント  
就業規則等の変更が必要

☆  交通費を毎月支給していないか  ☆

交通費も算定基礎届の計算の対象に含まれます。1ヶ月分の定期代を毎月支給しているような場合は、6ヶ月定期での支給に切り替えると保険料を削減できます。また、交通費自体も低く抑えることができます。

メリット  
会社負担の社会保険料を削減できる
ポイント  
就業規則等の変更が必要

☆  保険料額表を意識して、賃金表を作っているか  ☆

さきにご説明したように、社会保険料は支払われた給料の月額をいくつかの幅で区切られた保険料額表にあてはめ標準報酬月額を出し、そこに保険料率をかけて算出されます。
ですから極端なはなし、月収394、999円のAさんと月収394、500円のBさん(二人とも介護保険加入者)がいた場合、Aさんの標準報酬月額は38万円、Bさんのは標準報酬月額41万円となり、給料はたった1円しか変わりませんが、保険料は労使合計で月あたり7、400円ほど、年間で約88、000円違ってきます。
一等級あがると基本給が○○円にあがるなどと賃金規程に賃金テーブル等がある場合、ある程度区切りのいい数字で昇給額の幅が決められていますが、保険料額表も区切りのいいところで幅が決まっていますので、賃金表の幅も保険料額表を意識しながら決定するのが得策です。

メリット
会社負担の社会保険料を削減できる
ポイント
就業規則等の変更が必要

☆  賞与等の一部を退職金の掛金にまわす  ☆

平成15年4月から総報酬制度が導入され、月収からだけでなく、賞与からも同じ保険料率で社会保険料が徴収されるようになりました。
たとえば、夏期賞与100万円、冬期賞与150万円(介護保険加入者)の従業員の賞与にかかる社会保険料は.年間で617、000円(労使合計)になります。
この賞与から中退共と特退共にそれぞれ月額2万円ずつ(年間計48万円)を退職金の掛金にまわすと、保険料は498、536円(労使合計)になり、年間118、464円(労使合計)少なくなります。

健康保険法において、報酬とは「賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償としてうけるすべてのものであって、臨時に受けるもの及び3月を超える期間ごとに受けるものを除いたもの」とされています。退職金は報酬に含まれないという通達があり、退職金には社会保険料がかからないので、うまく退職金制度と賞与をからめて活用することで社会保険料を削減できます。

メリット
会社負担の社会保険料を削減できる
ポイント 
就業規則等の変更が必要

☆  休職期間はちゃんと定めてあるか  ☆

従業員が入社して退職するまでの間には、私用でケガをしてしまったり、病気になったりして休職せざるをえないことも起こります。育児休業期間中に対しては社会保険料免除の制度がありますが、傷病や介護のための休職にはそういった制度はありませんので、たとえ給料を支払っていなくてもそれまでと同じように労使とも社会保険料を納めなくてはなりません。

会社によっては就業規則などで勤続○年以上だと休職期間6ヶ月といったように適度な期間をちゃんと定めているところもありますが、親会社の就業規則をそのまま使い、1年や2年といった長過ぎる休職期間を定めている会社もあります。また、就業規則作成義務のない10人未満の会社等ではそもそも休職期間を定めていないところもあります。

※上記のように私傷病等の休職期間中も社会保険料は納めないといけません。休職期間に入ると連絡がとりにくくなりますので、、たとえば毎月会社指定の口座に振り込んでもらうとか会社が立て替えておいて後でまとめて払ってもらうなど、あらかじめ従業員分の保険料の支払いについて決めておくとよいでしょう。

メリット 
会社負担の社会保険料を削減できる
ポイント  
就業規則等の整備・変更が必要

「社会保険料削減の具体的方法PART2」はこちら
「社会保険料削減の具体的方法PART3」はこちら

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